清風南海高校 「にせものバラード」 観劇ブログ

清風南海高等学校「にせものバラード」を観劇して

 

清風南海高等学校さんの「にせものバラード」を観劇させて頂きました。登場人物個々がそれぞれの個性を持っていて、誰一人抜けてはならない役柄だという 事を見ていて感じられました。そして、私たちと同じ年代である、という点でも共感を持てる部分が多かったです。

私が特に観劇していて自分を思わず重ねてしまった、心にグサリと刺さった場面・セ リフとして、主人公である翔子のセリフ「縋ることもあさみに頼って…」というセリフと、翔子が“みんなのために”そっくりさんライブを公演する、と言った時にあさみが放った「それ、翔子は楽しい?」「翔子の事、見てたから。」というセリフです。前者のセリフは、私も今まで友達に頼り、自分から行動し決断することが少なかったと自分では思っているので、翔子の様な人前に立てるようなキャラクターではなくても知らないうちに共感してしまうのだろうな、と思いました。

また後者は、あさみは翔子の事をよく見ていて、心の底から大切に思っているのだろ うな、と感じられた場面であり、私の心にグサリと刺さりました。「翔子の事、見てたから。」というあさみの言葉通り、登場人物の中で一番本当の意味で翔子の事を見ていた、寄り添って共に歩んできたのはあさみなんだという事を感じましたし、「それ、翔子は楽しい?」というセリフでは他人のために、みんなのために、と言いそっくりさんライブを行おうとする翔子に対し、自分はどうしたいかという事を問いかけるあさみのセリフでした。人のために…という事を優先するばかりに自分の事、身近な人を置いてけぼりにしてしまうことほど、見ていて悲しい事はないんじゃないか、と思ったセリフでした。 最終的にみんなの前でそっくりさんライブを公演することは無かったものの、登場人物全員が笑顔で終わり、こちらも見ていて笑顔になれました。そして「にせものバラード」と同じ様な状況になった事はない人でも、中学生、高校生の年代であれば共感できる場面が多かったと感じました。

今まで九十分の劇を観劇してきたので、六十分間の劇を初めて観劇させて頂き、「六十分の劇でもこんなにも強く、共感を得る事の 出来る劇ができるんだ。」という一種の感動を覚えました。

最後になりましたが、本当にお疲れ様でした。 素晴らしいお芝居をありがとうございました!

 

東海大学付属大阪仰星高等学校 2年 中馬琴音