池田高校観劇ブログ

7月26日ウイングフィールド

池田高校さんの「下校の時間」を観劇しました。

二人劇という事は知っていたのですが、1年と3年で同学年を演じていたのは驚きました。

同学年だからこそ見せる話し方、空気、表情すらも、上手く表現していたのは本当に凄いと思いました。

途中、声が少し小さかった事が惜しかったです。

今回、私が1番印象に残っているのは演出です。

舞台上には大道具がなく、音響は雨の音とピアノの音だけで、照明もサスはあるものの暗転はありません。

雨の日・下足室という状況をそのシンプルな音響と照明だけで表現していました。

演出が凄いのはそれだけではありません。

野中さんが1人になった時、ピアノの音が大きく重たく聞こえます。

人物の心情を 曲ではなく、ピアノの音の「聞こえ方」で描いていました。

柳瀬くんが自分について語る時 野中さんの心がざわつく時、照明はゆっくりと静かな青色に変化します。

人物の心情が変わると共に光も音も変化していました。

音響と照明と役者が一体となるというのはまさにこの事だと思います。

音も光も人もズレることなく、心情が表されていました。

裏方と役者との信頼関係の深さがよく伝わりました。

場面が大きく変わらない作品だからこそ、人の心を表現する事に力を入れた素晴らしい作品でした。

阿倍野高校 野添千鶴