追手門学院大手前中・高等学校『机上の暴論』観劇レポート

7月29日、追手門学院大手前高校さんの『机上の暴論』を観劇しました。

まず、最初のキャスト紹介でもっていかれました。パンクロックに乗せて風のように現れて去っていく役者の姿はこの劇の導入としてふさわしいものでした。

「ストーカーの少年が拾った下着は実は宇宙人だった」という荒唐無稽な物語を、異様なテンションと小気味のよい台詞回しで一切間延びさせずに描ききった脚本に感服しました。

ギャグ的に演出されていたものが終盤になって重要になったり「ずるい」と思いつつ「上手いなぁ」と思わされる仕掛けに満ちていて、劇の随所に遊び心を感じました。

役者の練度が高かったです。抑揚の付け方、間のあけ方などは完璧でした。滑舌に関しては若干怪しい部分もありましたが、勢いと芝居の面白さで気になりませんでした。それにしても、舞台となる高校「カキクケ高校」は誰でも噛むと思います。みんな言いにくそうで逆にそれが面白かったです。

登場人物それぞれキャラが濃いのに打ち消し合わず生き生きとしていました。演出と役者の力を感じました。

照明の使い方がとても効果的でした。照明で舞台を分けているのは見やすくてよかったです。また、SSの位置にソースフォーが置いてあり、回想のシーンでとてもよい雰囲気を出していました。それだけに、ところどころ顔がとれていなかったのは勿体なかったと思います。

役者の動きに音を合わせているのか、音に役者の動きを合わせているのかわかりませんが、音響のタイミングがすごくよかったです。

こういう楽しい芝居が高校演劇でももっと増えればなあと思いました。本当に面白かったです。お疲れさまでした。

枚方なぎさ高校演劇部